オールドノリタケとウィローパターン(1) ブルーウィローの伝説
「ウィロー」は英語で柳のこと。
柳、二羽の鳥、楼閣、橋、小舟などを描いた図柄を「ウィローパターン」と呼び、
白地に青で描かれた製品が多いことから「ブルーウィロー」とも呼ばれています。

ウィローパターンは18世紀後半に、英国の陶磁器メーカー・ミントンの創始者である
トーマス・ミントンによって創作されたといわれています。
ミントンは陶磁器に転写をする銅板を彫刻する職人でした。
その後、ウィローパターンはウェッジウッド、ロイヤルドルトンなど
数多くのメーカーによって生産されることとなります。
ウィローパターンのもととなっているのはチャンとクーン・セの悲恋物語です。
舞台は昔々の中国、あるところに広大な敷地の中にある楼閣に住んでいる高官がおりました。
庭にはオレンジやさまざまの木が植えられ、柳の木もありました。
彼は表向きは皇帝に忠実に仕えながら、裏で賄賂を取り立てる悪辣な男でした。
男の秘書官の中にチャンという有能な若者がいて、男の一人娘、クーン・セに恋をしていました。
クーン・セもまた、チャンのことを愛していました。
主人の悪事を知りすぎたために解雇を言い渡されたチャンは、
楼閣を去る前の晩、クーン・セと永遠の愛を誓いました。
二人はそれからもクーン・セの侍女の助けを借りて逢瀬を重ねていました。
この密会が父親の知るところとなり、男は激怒して
クーン・セを敷地内の館に閉じこめ、庭に高い塀を巡らせます。
彼はまた、二人の逢瀬に手を貸していた侍女も追い出してしまいます。
その上で、彼はクーン・セを軍人のター・ジンと政略結婚させようと画策します。
さて婚礼の日、父親は宝石のつまった箱をクーン・セのもとに持ってきます。
結婚を祝う客達が屋敷に到着しますが、その中にチャンも紛れ込んでいました。
宴たけなわで皆が泥酔した頃、チャンとクーン・セは宝石箱を持ち、
手に手を取って逃げ出します。
それに気づいた父親に追いかけられながらも、二人はどうにか逃げおおせ、
かつてのクーン・セの侍女の家にしばらく匿われた後、
小舟で離れ小島へと向かいます。
こうして島に逃れた二人は家を建て、幸せに暮らしますが、
二人の消息はター・ジンの耳に届いてしまいます。
婚礼の席で恥をかかされたター・ジンは復讐に燃え、
大軍を率いて二人の住む島へ向かいます。
チャンは島民の助けを借りて闘いますが多勢に無勢、総崩れとなって敗れ、
クーン・セは絶望のあまり家に火をはなって自ら命を絶ってしまいます。
しかし、チャンとクーン・セの魂は二羽の不死の小鳥に姿を変え、
永遠の愛の象徴として天空を舞い続けたのでした。
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