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モリムラドール ノリタケが1920年前後の一時期、ビスクドールを生産していたことはあまり知られていない。 ビスクドールといえばフランス(ジュモー、ブリュなど)とドイツ(アーマンド・マルセル、DEPなど)と書いたが、フランスとドイツのビスクドールは、ヘッドの形だけでなく、いろいろ異なる部分がある。 日本にはこの手のことを教えてくれる本が本当に少ないので、私も英語の参考書で知ったのだが、髪型・服装・装飾品に至るまで細かい決まりごとがあるらしい。 私達が普段ビスクドールとして思い浮かべる、レースのたっぷりついたシルクの衣装で、羽根やシルクリボンのついたボンネットにブーツを履いているのはフランス人形で、ドイツの人形は髪型も質素だし、服装も木綿の膝丈のワンピースだったりする。帽子は麦わら帽子とか、ボンネットでも木綿だろう。 だから、本来の約束事に照らせば、ドイツ人形の系統であるモリムラドールにフランス風の服装をさせるのは誤りということになる。 もちろん人形のドレスは汚れたり破れたりするから仕入れ時にすでに取り替えられているものも多いし、人形自体も手入れが必要な場合がある。私自身、割れたガラスの目を新品と交換したこともあるし、ジョイントのゴムがゆるんでいて取り替えたこともある。ウィッグもあまりにひどければボンネットを被せたり、オリジナルはとっておいて新品を被せることもある。コンポジションの手足も塗り直しが必要な場合もあるし、キッド(革)の破れを補修しなくてはならないこともある。 私の場合、すでにヴィンテージのドレスやウィッグに交換されている場合は無理にそれをいじることはしないが、自分で調達しなくてはならない場合は、なるべく約束事を守るようにしている。 また、モリムラドールの場合、ジュモーなどに比べて安価なせいか、オリジナルとそうでない部分が明示されていない場合もままあるようだし、お客さまのほうもそれで納得してしまわれるようだ。 たとえ安価でもアンティークドールには違いないのだから(厳密に言えばまだ100年経っていないのでアンティークではなくヴィンテージだが)、売る側も買う側もオリジナリティは大切にしたいものだ。 上の写真のモリムラドールは、ウィッグ、グラスアイ、髪リボン、ドレス、すべてオリジナルである。 |