オールドノリタケ&アンティークガラス専門店 SIR JAPAN

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骨董の修復

 骨董の修復には、とても荒っぽい言い方をすると、金直しと共直しの2種類がある。

 金直し(金継ぎ、金繕い)は割れた部分を漆で接着し、欠けた部分を成形し、その部分に金の化粧を施す日本の伝統的な技法である。和骨董や李朝で目にしたことがある方も多いと思う。器の色や風合いによって、銀やプラチナを使うこともある。

 共直しの代表的な方法には、カラーフィルがある。カラーフィルは生地釉薬に限りなく近い色のパテを作り、割れたり欠けたりした部分を充填する方法だ。

 ただ、特に食器を直す場合、私は出来上がりの自然さや風合いのみでなく、実際に食器として使えるかどうかを問題にしているし、お客さまにもそのように説明している。カラーフィルは合成樹脂を使うため、使用によって高温になった場合に環境ホルモン発生の問題から食器の修復には向かない。その点、金直しは材料が漆なので、修復後の取り扱いは漆器と同じ扱い(強い洗剤は使わず、ぬるま湯で洗い、すぐ湿気を拭き取るなど)が要求されるが、食器として使うことができる。

 この手の事柄に関しては、私より夫のほうが数段詳しい。経験則から骨董商を始めた私と違い、夫は物理を修めたので、熱や酸・アルカリなどと反応した場合に骨董がどうなるかを科学的に説明できる。

 実際、アンティークの器は現在のように規格があるわけではないから、修復をしない完品の状態で使っても重金属の滲出などに気を遣わなくてはならない。

 最近、骨董のすそ野が広がり、生活に取り入れる方も増えてきている。骨董を扱う側として、お客さまに安全に骨董を楽しんでいただけるように、さらに気を配らなくては、と思っている。