オールドノリタケ&アンティークガラス専門店 SIR JAPAN

お問合せ・ご注文サイトマップオールドノリタケ & アンティークガラス専門店 SIR JAPAN トップページへ
Tel, FAX: 045-742-9349 (不定休、来社はご予約をお願いします)
E-Mail: info@sir-japan.com        

サザン・ベル(南部美人)

 オールドノリタケのアールデコ製品の中で、レディ柄の有名なパターンのひとつに「サザン・ベル(南部美人)」がある。庭と呼ぶには広すぎるような平原の中に、花を一輪持ったレディを描いたカラフルなパターンである。デザインのもとになった絵には、レディの後ろに、ひざまづいた男性が描かれている。

 この「サザン・ベル(southern belle)」という呼び名は、もともとアメリカのディーラーが用いていたものを、私が拝借したのである。というのは、大学時代に「英米文学概説」の講義で、訳語もろともこのことばを教わったのを思い出したからである。このパターンの呼称として「サザン・ベル(南部美人)」が日本で定着する前は「サザン・ベレ」などとも呼ばれていた(もっともアメリカ人はバッハ(J.S.Bach)をバックと発音するらしいので、フランス語の「belle(美女)」もベレと発音するかもしれないが)。

 ここからはテネシー・ウィリアムズの権威である鳴海四郎先生の受け売りだが、「サザン・ベル(南部美人)」とは南北戦争時代に、奴隷の支配階級だった南部上流階級の婦人を指す俗語だそうである。サザン・ベルの代表格といえば、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラである。結局南北戦争は北軍が勝利し、南部支配階級は没落の一途をたどった。サザン・ベルのなれの果てが「ガラスの動物園」のアマンダや、「欲望という名の列車」のブランチということもできよう。

 ノリタケの製品には和骨董のようにパターン毎の決まった名称が定まっていないものが多いが、お国柄や風俗を背景にした呼び名が定着していくのは興味深いことである。