骨董掌話「店」に思う先月末、「横浜骨董ワールド」に出展した。「横浜骨董ワールド」のガイドブックは、骨董カレンダーの他、エッセイなども掲載されている。 冒頭に、「店」と題したエッセイがあった。骨董店を開いていても経費がかかるし、催事のほうが売れるので店を閉めようか迷っていた。そんなある日、ひとりの青年が訪ねてきて、「父親から頼まれた」と紙袋を置いていく。中にはブルーの切子の花瓶と手紙が入っていた。 一読すると美しい話のように思えるが、なにか引っかかるのは私だけだろうか。 ほんものを見る目を養うには、本を読むだけでなく、美術館や展示会に足を運んだり、ときには偽物で口惜しい思いをしたりと、それなりに時間と授業料がかかるものである。お客さまと接するたび、苦労して手に入れた骨董品を末永く楽しんでいただきたいと願わずにはいられない。 |